新車試乗記

ダイハツ ムーヴX “SA”

ダイハツ ムーヴX “SA”

 ダイハツの軽乗用車「ムーヴ」に採用された衝突回避支援システム「スマートアシスト」を体験した。ブレーキを踏まずに我慢するのは怖かったが、障害物の直前でぴたっと止まった。ブレーキとアクセルを踏み間違えたときに急発進を抑制する機能などと合わせて、わずか5万円で装着できるのもうれしい。こういった安全装備は今後、幅広い車種に標準搭載が進むのだろう。

スズキ スペーシアX

スズキ スペーシアX

 スズキは、ハイトワゴンタイプの軽乗用車「スペーシア」を3月15日に発売した。「パレット」の後継モデルで、室内を一段と広くするとともに、リッター29.0km(JC08モード)の低燃費を実現した。ホンダのNBOX(エヌボックス)、ダイハツのタントといった強力なライバルがいるハイトワゴンのジャンルで巻き返しを図る。

トヨタ クラウンハイブリッド・アスリートS

トヨタ クラウンハイブリッド・アスリートS

 トヨタのクラウンが変わった。個性的なスタイルの採用と合わせて、ハンドリングの味付けも大きく変わった。新たに設定された2.5リットルのハイブリッド車は、ガソリン1リットル当たり23.2kmの低燃費。重量級の高級セダンを軽自動車やコンパクトカー並みの燃費で走らせることができる。

ホンダ N-ONE タイプG

ホンダ N-ONE タイプG

 快走しているホンダの軽乗用車「N」シリーズの第3弾として、N-ONE(エヌワン)が発売された。往年の名車「N360」を思い起こさせるような親しみやすいデザインと高い質感を打ち出している。室内の広さにこだわったエヌボックスに対して、エヌワンは「新しいベーシックカーを目指した」という。

日産 ノートX DIG-S

日産 ノートX DIG-S

 日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)が主催する2013年次RJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した日産自動車の新型ノートに試乗した。従来型ノートは排気量が1.5リットルだったが、新型は車体の大きさをそのままに、一回り小さい1.2リットルのスーパーチャージー(SC)付きエンジンを搭載。1.5リットル並みの動力性能とガソリン1リットル当たり25.2km(JC08モード)の低燃費を両立させた。燃費性能は同じクラスのハイブリッド車に一歩譲るものの、車両価格は大幅に安い。

トヨタ オーリス180G・Sパッケージ

トヨタ オーリス180G・Sパッケージ

 欧州市場をメーンに開発されたトヨタのスポーツハッチバック「オーリス」がフルモデルチェンジを受け、2代目に生まれ変わった。車高を低くして重心を下げたりサスペンションを改良したりして、操縦性を大きく向上させた。

スズキ ワゴンR

スズキ ワゴンR

 軽ワゴンのジャンルを築いたスズキの軽乗用車「ワゴンR」がフルモデルチェンジした。バッテリーへの充電に減速時のエネルギーを使ってエンジンの負荷を減らす「エネチャージ」の採用や車体の軽量化などにより、リッター28.8kmという、軽ワゴンで最高の低燃費を実現した。いかつい顔つきのスティングレーも同時発売した。

三菱自動車 ミラージュM

三菱自動車 ミラージュM

 三菱自動車の新型ミラージュは、タイで生産して日本や海外で販売している世界戦略車。軽自動車並みの軽い車体に1リットルのエンジンを積み、ガソリン登録車(普通車)でトップとなる27.2km/リットル(JC08モード)の低燃費を実現している。

トヨタ ポルテG

トヨタ ポルテG

 ポルテは、全長4mを切るコンパクトな車体に、子育てファミリーが使いやすい機能をぎっしり詰め込んだ新型車。車体の大きさに制約がある軽自動車が大きな進化を遂げたように、「プチバン」と呼ばれるジャンルにも変化の兆しが出てきた。

スズキ スイフトスポーツ

スズキ スイフトスポーツ

 スズキの小型乗用車スイフトに1.6リットルエンジンを搭載し、足回りを強化した「スイフトスポーツ」に試乗した。走ることそのものが楽しめる数少ない国産車だ。

トヨタ カローラフィルダー1・8Sエアロツアラー

トヨタ カローラフィルダー1・8Sエアロツアラー

 トヨタは、カローラアクシオ(セダン)とフィールダー(ワゴン)をフルモデルチェンジし発売した。「小さな車体に大きなスペース」をコンセプトに、カローラの歴史で初めて車体を小さくした。ハイブリッド車「プリウス」の大ヒットで脇役に回った形のカローラだが、どのように進化したのだろうか。

トヨタ 86(ハチロク)GT

トヨタ 86(ハチロク)GT

 トヨタ86(ハチロク)は「クルマ好き」のドライバーに向けて発売された久しぶりのスポーツカーだ。最高出力200馬力の水平対向エンジン、低い重心位置、操縦性に優れた後輪駆動方式(FR)の採用などにより、走る楽しさを追求している。その乗り味はファミリーカーとは別物で、まるでゴーカートのようだった。

マツダ CX-5 XD(2WD)

マツダ CX-5 XD(2WD)

 マツダは、新型クロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)CX-5を発売した。試乗したのは、新世代クリーンディーゼルエンジンを搭載したXDの前輪駆動(FF)モデル。このディーゼルエンジンは、低回転から4リットルガソリンエンジン並みの大トルクを発揮し、アクセルを踏み込んだとたんに体がシートに押しつけられるような加速が得られる。その一方で、軽油1リットル当たり18.6km(JC08モード)の低燃費を実現し、音も静かだ。ディーゼル乗用車に対するイメージを一新する車だ。

トヨタ アクア S

トヨタ アクア S

 いま、最も注目されている車の一台が、トヨタ自動車の小型ハイブリッド車(HV)アクア。新燃費基準(JC08モード)でガソリン1リットル当たり35.4kmの燃費性能は世界一。昨年12月の発売以来予約が殺到し、現在でも納車は半年待ちという。

しろうと試乗記・番外編 大阪モーターショー リポート

しろうと試乗記・番外編 大阪モーターショー リポート

 モーターショーの取材は、東京・晴海の会場に行って以来27年ぶり。近年は若者の車離れが言われているので来場者はそう多くないと予想していたが、とんでもない。取材日が日曜ということもあって、展示車に近づくのが難しいほどの盛況ぶりだった。
開催テーマは「クルマが変わる、ひろがる世界、かがやく地球」。見ておきたかったのは2点。一つは話題の小型スポーツカー「トヨタ86(ハチロク)」「スバルBRZ」をはじめとしたスポーツカーの動向。もう一つは、近距離移動用の小型電気自動車。印象深かったのは、原付き免許で運転できる配達用4輪電動バイクなど、日常の移動手段として電動バイクがどんどん実用化されていることだ。

ホンダ N BOX カスタムG・Lパッケージ

ホンダ N BOX カスタムG・Lパッケージ

 ホンダは、新型軽乗用車「N BOX(エヌボックス)」を発売した。徹底的に広さにこだわり、軽乗用車で最大級の室内スペースを実現した。圧倒的な広さで人気のダイハツ・タントや、使い勝手がいい両面スライドドアを採用しているスズキのパレットがライバルだ。

トヨタ プリウスPHV

トヨタ プリウスPHV

 トヨタ自動車は、家庭のコンセントから充電できるプラグインハイブリッド車「プリウスPHV(プラグインハイブリッド)」の受注を開始した。2012年1月30日から販売する。PHVの市販に先立ち、先行している法人向けリースモデルに試乗した。一般のハイブリッド車(HV)はエンジンをモーターが補助して走るが、PHVはモーターが主役。より電気自動車(EV)に近くなっている。

マツダ アクセラスポーツ20S-スカイアクティブ

マツダ アクセラスポーツ20S-スカイアクティブ

 マツダは、ガソリン車の燃費を改善する「スカイアクティブテクノロジー」を搭載した新型車を次々に発売している。9月に登場したアクセラは、2リットルエンジン搭載車でガソリン1リットル当たり20.0km(10・15モード)の低燃費を実現。新開発の6速ATがスポーティーな走りに一段と磨きをかけている。

ダイハツ ミラ・イースX

ダイハツ ミラ・イースX

ダイハツ工業は、ガソリン車でトップの低燃費を実現した軽乗用車「ミラe:S(イース)」を発売した。新燃費基準(JC08モード)でガソリン1リットル当たり30.0kmというハイブリッド車並みの低燃費と、車両本体価格が79万5千円からという低価格を両立させた。

トヨタ プリウスα  Sツーリングセレクション

トヨタ プリウスα Sツーリングセレクション

 プリウスαは、ベストセラーのハイブリッド車「プリウス」を一回り大きくして、室内を広くした新型車。5月の発売以来予約が殺到し、生産が追いつかない状態が続いている。5人乗り(2列シート車)と7人乗り(3列シート車)があるが、これから注文しても5人乗りは来春以降、7人乗りは来年8月以降の納車になるという。ハイブリッド車に広い室内と1クラス上の快適性を求めるなら、半年~1年待つ価値がある。

ホンダ フィットシャトル ハイブリッド

ホンダ フィットシャトル ハイブリッド

 ホンダの新型車「フィットシャトル」のハイブリッドに試乗した。フィットをベースに全長を510mm伸ばして荷室を大きくするなど、使い勝手を向上させたワゴンタイプの乗用車。名前にフィットを使っているものの、乗り心地や静粛性は1クラス上で、まったく別の車に仕上がっている。

三菱自動車 デリカD:2 X

三菱自動車 デリカD:2 X

 デリカD:2は、全長3.7mのコンパクトな車体にもかかわらず、広い室内空間を実現した1ボックスの小型ワゴン車。軽ワゴンを一回り大きくしたようなスタイルで、使い勝手のいい後席両側スライドドアを採用している。排気量は1.2リットル。日常の買い物から子どもの送り迎え、さらに家族での休日ドライブまでこなせる小型車だ。

スズキ MRワゴン

スズキ MRワゴン

「ママワゴン」のキャッチコピーで女性に人気だったスズキのMRワゴンがフルモデルチェンジを受け、曲線を主体にしたデザインから、直線基調の個性的なデザインに生まれ変わった。
 新型は、新しいプラットホーム(車台)や新開発エンジンの採用で、室内空間を広くしたり、燃費を改善したりした。また、タッチパネル操作のオーディオを装備。男性も含めて、初めて車を所有する若年ユーザーに売り込んでいくという。

日産自動車 リーフ

日産自動車 リーフ

 日産自動車のリーフは、電気の力だけで走る電気自動車(EV)。フル充電で200kmの航続距離を達成している。EVの市販は遠い先のことと思っていたが、実際に試乗してみて、完成度が高いことに驚いた。電池の高性能化と充電施設の整備が進めば、ガソリン車に取って代わるのではないかと予感させるのに十分な性能だった。