燃費を大きく改善
初代ラパンの誕生は2002年1月。同社のワゴンRに代表されるワゴンタイプの軽自動車が実用性を重視しているのに対して、ラパンは「雑貨や家具のような愛着の持てる道具」という発想で企画されたという。
新型ラパンは、丸みのある箱形フォルムを引き継ぎながら、新型プラットホーム(車台)の採用でルーフが伸びやかになり、室内も広くなった。
エンジンは、最高出力54馬力の自然吸気エンジンと、64馬力のターボエンジンの2種類。トランスミッションは、ターボはCVT(自動無段変速機)のみ、自然吸気はCVTと4速ATの2種類がある。
モデルチェンジで燃費は大きく改善された。旧モデルのラパンは4速AT仕様で1リットル当たり19.0km(10・15モード)だったが、新型では22.5kmと2割近く向上した。効率のいいエンジン回転数をキープするCVT仕様はさらに優秀で、自然吸気で24.5km、ターボで23.0kmを達成している。
広くなった室内
試乗車はチェリーピンクパールメタリックのホワイト2トーンルーフ仕様。50代の男性リポーターにはちょっと恥ずかしいが、注目度は抜群だ。
「これ、新しいラパンですよね」「かわいらしい」--。会社の駐車場に試乗車を止めていたら、何人もの女性社員に声を掛けられた。実はわが社にはラパンのオーナーが多く、男女合わせて4人。特に新型ラパンに興味を示していたのは、旧型に乗っている女性社員だ。ぐるりと外観を見回したあと、内装を念入りにチェックしていた。
試乗車は自然吸気エンジンと4速ATの組み合わせ。乗り込んでまず気が付くのは、室内が広くなったこと。旧型のラパンは身長174cmのリポーターには少し狭く感じたが、新型はゆったりしている。フロントウインドウの位置が、旧型に比べて100mm前進していることも広々と感じる一因のようだ。室内長が170mm伸びたので、後席足元の空間が広くなった。運転席のベンチシートは大きめで、座り心地がいい。
バイパス道路や一般道を走って感じることは、乗り心地がしっとりとしていること。サスペンションの改良や、旧型より一回り大きい14インチタイヤの採用が効いているようだ。また、ボンネットが四角いので先端の見切りがよく、初心者でも運転しやすい。
あちらこちらにラパンキャラ
ラパンの室内は、遊び心満点だ。まず目に付くのは、ドアハンドルの横にある丸いフォトフレーム。プリクラや子どもの写真など、お気に入りの写真を自由に飾ることができる。女性には結構うれしいスペースだという。
ウサギをあしらったラパンキャラクターも随所に登場する。外装では、フロントやリアのエンブレムはもちろん、リアコンビネーションランプやヘッドランプにも使われている。また内装にも隠れキャラがあるらしく、子どもたちが思わぬところでキャラクターを見つけることもあるという。燃費や走行距離などを表示するマルチインフォメーションディスプレーにもラパンキャラクターが登場するという念の入れようだ。オーナーによると、子どもを乗せると、隠れキャラを見付けては大喜びしているという。
メーターは、白地の大きなスピードメーターと液晶のマルチインフォメーションディスプレーの組み合わせ。シートの高さやステアリングの高さを調節できるので、小柄な女性でも最適なドライビングポジションが得られる。
内装色はアイボリー、ブラウン、ブラックの3種類。車体色は10種類あり、全部で24通りの内・外装色の組み合わせが選べる。
リポータープロフィル
【長瀬稚春】 運転免許歴33年。これまで、12台の愛車を乗り継いできた。紀伊民報制作部長。