新車試乗記

トヨタ カローラ フィールダー1.5Xエアロツアラー

【スペック】

全長×全幅×全高=4410×1695×1480mm▽ホイールベース=2600mm▽車重=1200kg▽駆動方式=FF▽エンジン=1496cc水冷4気筒DOHC、81Kw(110馬力)/6000回転、140Nm(14.3kg)/4400回転▽トランスミッション=CVT▽車両本体価格=185万8500円

【試乗車提供】

トヨタカローラ和歌山シーズ田辺店
(田辺市上の山1丁目12、0739・24・1190)

[2007年05月10日 UP]

 カローラが誕生したのは、今から41年前の1966年。以来、全世界で累計3100万台が販売された世界のベストセラーカー。2006年10月に発売された10代目のカローラは、取り回しのいい5ナンバーサイズの乗用車。ワゴンは前のモデルから「フィールダー」と呼ばれていたが、今回のモデルチェンジでセダンに「アクシオ」という愛称が与えられた。装備は豪華になり、上級グレードは車両本体価格が200万円を超える。乗り心地も含めて、大衆車のイメージはなくなった。

高級車並みの装備


 新型カローラの大きさはアクシオ、フィールダーとも全長4410mm、全幅1695mmで、モデルチェンジ前とまったく同じ。排気量は1500ccと1800cc、駆動方式は前輪駆動と4輪駆動がある。
 日本を代表する大衆車だったカローラも今はそのポジションを一回り排気量の小さいヴィッツに譲り、モデルチェンジで装備は目を見張るほど豪華になった。
 ステアリングの位置は、上下と前後の調節が可能。運転席シートも高さの調節ができる。一部車種を除いて、スマートエントリー・スタートシステムが採用されていて、ポケットやバッグにキーを入れたままでドアの解錠や施錠、エンジンの始動ができる。
 アクシオには、ギアをバックに入れるとモニター画面に後方を映し出すバックモニターを標準装備している。さらに最上級グレードには、ミリ波レーダーで前方の障害物や対向車などを察知して警報ブザーを鳴らしたり自動的にブレーキをかける安全システムが採用されている。

使いやすいサイズ


 試乗車は、1500ccのフィールダー1.5Xをスポーティーな外観に仕上げた1.5Xエアロツアラー。セダンのアクシオが端正な外観なのに対して、若々しいイメージを受ける。
 運転をしてすぐに「日本の道路はこのサイズが使いやすいよね」と感じる。道路は広くならないのに車が年々大きくなっている中で、5ナンバーサイズにこだわったのは正解だと思う。また、フロントのピラー(柱)が細いので、斜め前方に死角が少なく、視野が広々としている。最近の車の常で、運転席からボンネットはわずかしか見えないが、まったく見えないよりは安心感がある。
 乗り心地はしなやか。道路工事の跡がある市街地の荒れた路面でも、サスペンションは小さなショックを良く吸収してくれる。特に気に入ったのはステアリングの感触。この電動パワーステアリングはとても滑らかに回る。
 使い勝手の面では、ワンタッチ格納リアシートが便利だ。荷室横のレバーを引くと後部座席の座面が跳ね上がり、背もたれがゆっくりと倒れて大きなスペースが現れる。

燃費を向上


 最高出力110馬力、最大トルク14.3kgの1500ccエンジンは、標準的な性能。自動無段変速のCVTと組み合わせることで、前モデルよりも燃料消費率を改善し、1リットル当たり18.0km(10.15モード)の性能。出力に大きな余裕があるエンジンではないので、急加速をするとそれなりに音は大きくなる。
 力強い走りを求める人には、1800ccがお薦めだ。新開発のエンジンは最高出力136馬力、最大トルク17.9kgを発生する。低速から太いトルクがあり、燃料消費率も1リットル当たり16.8km(10.15モード)と優秀だ。

カスタマイズで個性的に


 カローラの中心ユーザーは、アクシオが50~70代、フィールダーが30~40代。日本のベストセラーカーは、団塊の世代とともに歩み、ユーザーの年齢層も高くなってきた。
 個性的なカスタマイズによる若返りも、新型カローラのテーマ。TRDやモデリスタ、アドミレイションといったブランドのドレスアップパーツや強化サスペンション、さらにコンプリートカー(部品を組み込んだ完成車)まで設定されている。これがなかなか格好いい。フィールダーには6種類のバリエーションが提案されていて、専用カタログも用意されている。

リポータープロフィル

【長瀬稚春】 運転免許歴32年。これまで、11台の愛車を乗り継いできた。紀伊民報制作部長。