高級車並みの装備
新型カローラの大きさはアクシオ、フィールダーとも全長4410mm、全幅1695mmで、モデルチェンジ前とまったく同じ。排気量は1500ccと1800cc、駆動方式は前輪駆動と4輪駆動がある。
日本を代表する大衆車だったカローラも今はそのポジションを一回り排気量の小さいヴィッツに譲り、モデルチェンジで装備は目を見張るほど豪華になった。
ステアリングの位置は、上下と前後の調節が可能。運転席シートも高さの調節ができる。一部車種を除いて、スマートエントリー・スタートシステムが採用されていて、ポケットやバッグにキーを入れたままでドアの解錠や施錠、エンジンの始動ができる。
アクシオには、ギアをバックに入れるとモニター画面に後方を映し出すバックモニターを標準装備している。さらに最上級グレードには、ミリ波レーダーで前方の障害物や対向車などを察知して警報ブザーを鳴らしたり自動的にブレーキをかける安全システムが採用されている。
使いやすいサイズ
試乗車は、1500ccのフィールダー1.5Xをスポーティーな外観に仕上げた1.5Xエアロツアラー。セダンのアクシオが端正な外観なのに対して、若々しいイメージを受ける。
運転をしてすぐに「日本の道路はこのサイズが使いやすいよね」と感じる。道路は広くならないのに車が年々大きくなっている中で、5ナンバーサイズにこだわったのは正解だと思う。また、フロントのピラー(柱)が細いので、斜め前方に死角が少なく、視野が広々としている。最近の車の常で、運転席からボンネットはわずかしか見えないが、まったく見えないよりは安心感がある。
乗り心地はしなやか。道路工事の跡がある市街地の荒れた路面でも、サスペンションは小さなショックを良く吸収してくれる。特に気に入ったのはステアリングの感触。この電動パワーステアリングはとても滑らかに回る。
使い勝手の面では、ワンタッチ格納リアシートが便利だ。荷室横のレバーを引くと後部座席の座面が跳ね上がり、背もたれがゆっくりと倒れて大きなスペースが現れる。
燃費を向上
最高出力110馬力、最大トルク14.3kgの1500ccエンジンは、標準的な性能。自動無段変速のCVTと組み合わせることで、前モデルよりも燃料消費率を改善し、1リットル当たり18.0km(10.15モード)の性能。出力に大きな余裕があるエンジンではないので、急加速をするとそれなりに音は大きくなる。
力強い走りを求める人には、1800ccがお薦めだ。新開発のエンジンは最高出力136馬力、最大トルク17.9kgを発生する。低速から太いトルクがあり、燃料消費率も1リットル当たり16.8km(10.15モード)と優秀だ。
カスタマイズで個性的に
カローラの中心ユーザーは、アクシオが50~70代、フィールダーが30~40代。日本のベストセラーカーは、団塊の世代とともに歩み、ユーザーの年齢層も高くなってきた。
個性的なカスタマイズによる若返りも、新型カローラのテーマ。TRDやモデリスタ、アドミレイションといったブランドのドレスアップパーツや強化サスペンション、さらにコンプリートカー(部品を組み込んだ完成車)まで設定されている。これがなかなか格好いい。フィールダーには6種類のバリエーションが提案されていて、専用カタログも用意されている。
リポータープロフィル
【長瀬稚春】 運転免許歴32年。これまで、11台の愛車を乗り継いできた。紀伊民報制作部長。