新車試乗記

ファミリーに人気のミニバン

トヨタ ノア

【スペック】

全長×全幅×全高=4695×1730×1895mm▽ホイールベース=2850mm▽車重=1600kg▽駆動方式=FF(前輪駆動)▽エンジン=1986cc直列4気筒DOHC、125kW(170馬力)/6600回転、202Nm(20.6kg)/4900回転▽トランスミッション=CVT(自動無段変速機)▽燃料消費率=15.1km(WLTCモード)▽車両本体価格=297万円(Gガソリン車、8人乗り)

【試乗車提供】

ネッツトヨタ和歌山・田辺店
(田辺市新庄町1895、0739・22・4979)

[2022年2月10日 UP]

 トヨタ自動車は、ファミリー層に人気のミニバン「ノア」と「ヴォクシー」をフルモデルチェンジし、1月中旬に発売した。開放的で広い室内、最新の安全装備、動力性能の向上などが特長。2リットルガソリン車のノア8人乗りに試乗した。

扱いやすい大きさ


 ノアの車体サイズは全長4695mm、全幅1730mm、全高1895mm。全幅は5ナンバーサイズを少しはみ出しているが、扱いやすい大きさであることに変わりはない。
 スタイルは、室内空間を最大にできる「箱形」を継承。ノアは、シンプルな顔つきの基本モデルと、エアロパーツを装備したモデルの2系統。ヴォクシーは、大きく口を広げたようなフロントグリルが力強い。
 パワーユニットは、最高出力170馬力の2リットルガソリンエンジンと、1.8リットルエンジン(98馬力)+モーター(95馬力)のハイブリッド(HV)。
 長年の実績がある1.8リットルのHVシステムは今回、全ての電動モジュールを刷新。モーター、バッテリーの高出力化とシステムの効率化により、システム総合出力は従来の122馬力から140馬力に引き上げられた。燃費も、ガソリン1リットル当たり23.4km(WLTCモード)に向上した。
 ノアの車両本体価格はFFガソリン車の267万円から、四輪駆動HV車の389万円まで。

実用的な3列シート


 ミニバンでまずチェックしたいのは、室内の広さと使い勝手。ノア、ヴォクシーには7人乗りと8人乗りがあり、同一グレードなら価格は同じ。7人乗りは、2列目の座席が左右独立しているキャプテンシート。ゆったりとくつろげる。また、座席の間を通り抜ける通路があるので、3列目シートへの乗り降りもしやすい。2列目シートは前後に705mmスライドし、最も後ろに下げると足が楽に組める空間が生まれる。
 3列目の座席も、大人が座るのに十分なスペースがある。大人の定員乗車はちょっときついが、6人乗車なら長距離ドライブも快適にこなせそうだ。
 8人乗りは、3列目への通り抜けができない代わりに、2列目シートと3列目シートをアレンジして広大な荷室スペースを作ることができる。利用目的に合わせてどちらのシートにするかを選びたい。
 ファブリックのシート生地はソファのようで、座り心地がいい。一方で、コストを抑えるために内装全般にプラスチックを多用しており、高級感はあまりない。
 オプション設定されているユニークな装備は、後部座席に乗り込む際に足元に出てくるユニバーサルステップ(3万3千円)。スライドドアの動きに合わせて展開・格納する。小さな子どもやお年寄りの乗り降りに便利だ。
 安全運転を支援するトヨタセーフティセンスは、車載カメラとミリ波レーダーで歩行者や走行車両を検知し、ステアリングやブレーキ、アクセル操作を補助する。今回、事故が多い交差点での支援を拡大。右折時に対向車線を直進してくる車両の検知に加えて、自動二輪車も検知してブレーキをかける機能を追加した。

スムーズな2リットルエンジン


 2リットルのガソリンエンジンは予想以上に力強く、滑らかだった。低速のトルクが大きく、車重が1600kgあるノアでも発進はスムーズ。少々きつい上り坂に差し掛かっても、低いエンジン回転を保ったまま余裕で上っていく。燃費も優秀で、カタログデータはガソリン1リットル当たり15.1km(WLTCモード)。同じグレードのHV車との価格差は35万円あるので、年間の走行距離が少ない人にとってはガソリン車の方が経済的だ。
 ほぼ5ナンバーサイズの車体は街中で扱いやすい。フロントガラスを支えるピラー(柱)が細くなったので、斜め前方の視界もいい。
 「ミニバンの帝王」ともいえるアルファード、ヴェルファイアは長距離走行が快適だが、スーパーの駐車場に止めるといった日常の使用では緊張する。それに比べて、ノアやヴォクシーは買い物から子どもたちの送迎、家族そろっての旅行など、さまざまな場面で扱いやすい。
 フルモデルチェンジしたノアだが、半導体不足による生産調整などにより、納期は長め。これから発注しても納車は秋ごろになるというから、商談は早めに。

リポータープロフィル

【長瀬稚春】 運転免許歴46年。紀伊民報制作部長