トヨタ・ルーミー 安全機能が進化
ルーミーは昨年9月にマイナーチェンジを受け、安全装備が充実した。具体的には、予防安全機能「スマートアシスト」に、同じ方向に走っているバイクや自転車、夜間の歩行者の検知・ブレーキ機能を追加。高速道路を走るときに便利な全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)も搭載された。
マイナーチェンジに合わせて兄弟車種の「タンク」が廃止され、トヨタの全販売店がルーミーを扱うようになった。販売網の拡充と車種の整理もルーミーの販売が伸びた一因となっている。
エンジンは引き続き、最高出力69馬力の1リットル直列3気筒の自然吸気エンジンと、98馬力を発生する1リットルターボエンジンの2種類。自然吸気エンジンは日常の使用で必要十分な動力性能を発揮するが、多人数乗車や山道を走るとパワー不足を感じる。一方で、車両本体価格が軽ワゴンとあまり変わらないという経済性は魅力だ。
ターボは1.5リットル自然吸気エンジン並みの出力を発生するので、走りの面では余裕がある。
【スペック】全長×全幅×全高=3700×1670×1735mm▽ホイールベース=2490mm▽車重=1080kg▽駆動方式=FF▽エンジン=996cc直列3気筒DOHC、51kW(69馬力)/6000回転、92Nm(9.4kg)/4400回転▽トランスミッション=CVT(自動無段変速)▽燃料消費率=18.4km(WLTCモード)▽車両本体価格=174万3500円(Gグレード)
スズキ・ソリオ 余裕の1.2リットル
ソリオは、小型トールワゴンの先駆者。昨年12月にフルモデルチェンジを受け、車体が一回り大きくなった。それでも全長3790mm、全幅1645mmというコンパクトなサイズなので小回りが利き、道の狭い住宅街を走ったり、スーパーの駐車場に止めたりする際にも使いやすい。
全長が伸びたことで荷室の奥行きが100mm拡大。後部座席が前後に165mmスライドするので、乗車人数や荷物の量に合わせて座席と荷室のスペースを調節することができる。
エンジンは1.2リットル直列4気筒の自然吸気エンジンで、最高出力は91馬力。これを3.1馬力のモーターで補助するマイルドハイブリッドを採用している。燃焼効率を上げるため最近では1.5リットルクラスまで3気筒が採用されているが、4気筒はやはり回転が滑らか。モーターの補助により発進時の力強さが加わり、アイドリングストップからの再始動が無音であることも魅力だ。
新しいソリオは防音対策が施されて、先代よりも室内が静かになった。乗り心地もソフトで快適だ。ACCはルーミーと同様に全車速対応。夜間の歩行者検知機能も備えている。
【スペック】全長×全幅×全高=3790×1645×1745mm▽ホイールベース=2480mm▽車重=1000kg▽駆動方式=FF▽エンジン=1242cc水冷4気筒DOHC、67kW(91馬力)/6000回転、118Nm(12.0kg)/4400回転▽モーター=2.3kW(3.1馬力)/1000回転、50Nm(5.1kg)/100回転▽トランスミッション=CVT(自動無段変速機)▽燃料消費率=19.6km(WLTCモード)▽車両本体価格=202万2900円(ハイブリッドMZ)
リポータープロフィル
【長瀬稚春】 運転免許歴46年。紀伊民報制作部長